こんにちはタピノ(@tapinonono)です。
9月1日防災の日に知っている人は待ち望んでいた防災アプリがリリースされました。その名は『NERV防災』
”特務機関NERV”が日本国内のあらゆる災害情報を位置情報によって通知してくれるものです。この”特務機関NERV”はすでにTwitterで最速と言える情報の速さと多さで有名でした。
今回はこの国内最速情報”特務機関NERV”について出来た背景、エヴァの世界観まんまだけど著作権は?その情報は信用出来るのか、どうして早く情報が出せるのかを調査しました。
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エヴァ特務機関NERVの災害通知が国内最速
”特務機関NERV”は、地震などの災害情報、気象警報から電車遅延や停電まで速報でツイートされます。
内容が網羅する範囲はもちろん凄いのですが何よりも注目するのはそのスピード。
例えば…
6月18日朝に発生した大阪北部地震。特務機関NERVは、7時58分の発生に前後して緊急地震速報をツイート。
震源の深さや予想される最大震度などを発信しながら、同時に「エレベーターに閉じ込められた場合」「ガスメーターの復帰方法」といった情報もツイートで流しました。
発生から2分後の8時には「大阪北部:震度6弱」をはじめとする各地の震度もツイート。
8時1分、NHKニュースの速報配信は8時2分でした。
日本気象協会の地震速報アカウント「tenki.jp地震情報」が第1報をツイートしたのはこれからもわかる通り、”通知”だけでなくその場にいる人に起こるであろうトラブルやとっさの状況でどうしたらいいかなどを次々と通知してくれる”特務機関NERV”
この中身の濃さからも今や75万人を超えるフォロワーがいます。
ですが特務機関NERVはエヴァンゲリヲンの公式ではありません。じゃああんなに堂々と作中に出てくる名前やデザインを使っていいの?と疑問に思いますよね。
エヴァ公認!特務機関NERVが出来た背景
特務機関NERVを運営しているのはゲヒルンという会社。代表の石森大貴さんは大のエヴァンゲリヲンファンだそう。
エヴァ好きが楽しみの為に作った特務機関NERVアカウント
-引用 特務機関NERV Twitter–
最初は「『警報』を発信するのに、現実の気象警報などをつぶやけばリアルでおもしろいと思った。エヴァンゲリオンの世界観を自分で楽しむためにアカウントをつくった」と語る石森さん。
エヴァンゲリヲンの中で敵の襲来があるとNERVは警報を発令します。今や一目で「エヴァのデザイン」と分かる独自のデザインがファンにはカッコよく人気。
これを石森さんは真似しようと思ったのだそうです。2010年に開設して最初は手動でツイート。7月にはプログラミングが得意だったことから自動でツイートする機能を開発しました。それでも当時のフォロワーは300人程。
ファンの多い有名な作品ですから似たようなアカウントも多かったので、その中身の有益さが浸透しなければただ埋もれたよくある”ファンアカウント”の1つだったのです。
けれど石森さんも最初はそれでよかった。「これほど本格的に運営するつもりはありませんでした」と話していましたが2011年3月の東日本大震災が大きな転機となりました。
震災を機にフォロワー数は数万人規模まで大きく伸びたことも大きな変化でしたが、それ以上に石森さん自身の思いに変化が起きました。
宮城県石巻市出身の石森さんの高校卒業まで暮らした実家は津波で全壊してしまったそう。家族は無事でしたが、親戚や友人を多く亡くしました。
「あの時「逃げて」という言葉が大切な人に届かなくて亡くしてしまった。次の災害が起こったときには誰も亡くしたくない。NERVのツイートは”逃げて”という僕の思いなんです」と震災以降、特務機関NERVにそそぐ力は格段に大きくなったと言います。
震災直後は「ヤシマ作戦」という名の下に節電を呼びかけるツイートの拡散も主導しました。「ヤシマ作戦」もエヴァンゲリヲンに登場する言葉で、石森さんがNERVロゴと組み合わせた画像を作成したり主導して爆発的に拡散しました。
エヴァの画像や名前使用、著作権侵害は
ファンとしてエヴァンゲリヲンに登場する名称や画像、デザインを使用している”特務機関NERV”、非公式でありながらここまで有名になってしまって、著作権は大丈夫なの?とふと頭を過ぎる人がいるんじゃないでしょうか。
実際に「著作権を侵害しているのではないか」という批判も寄せられ、石森さん達はエヴァンゲリヲンの版権元にNERVアカウントと併せて使用の許可を求めました。
「非営利であり、社会的に意義のある活動ということでOKしました」
(エヴァンゲリオンシリーズの著作権を管理するグラウンドワークスの神村靖宏社長)
ということで、現在特務機関NERVは非公式ですが公認されています!
NERV災害の情報の信用性は?なぜ速いのか
引用ーゲヒルン公式ページより
とにかく情報が速いNERV。日本気象協会やNHKより速いその情報はどうやって発信されているのでしょうか?
気象庁に専用線を置き独自プログラミング
東日本大震災以降はより早く、より役立つような情報を発信するためにNERVのプログラムは改良が重ねられています。
その情報収集はゲヒルンが担っていて、なんとテレビ局などと同じように気象庁に専用線を敷いています。
なので気象庁が気象警報や地震速報などを発信したらダイレクトに受け取りNREVがツイートするのに約1秒。
プログラムでテキストは自動で生成されますが、情報によって多くのパターンがあります。例えば巨大地震が起こった場合、第1報で推定震度がわかっても、「今後の情報に注意してください」といった事も発信します。
例え1報で安心出来るような数値でもその後何が起きるか分からないのが自然災害。とにかく災害からみんなを助けたい。災害によって亡くなる命を少しでも減らしたいという思いが伝わってきますね。
気象庁の情報以外に、Lアラートなども受信し同じ仕組みでツイートしています。
アニメの世界観を取り入れているからか、その情報の信用性を疑う声もあります。ですが情報の出どころはテレビの速報と同じ。これをいかに早く有用な情報として発信するかという点において技術的なチャレンジとして取り組んでいるそう。
NERVのツイート内で見られる震度や台風の進路などを表す画像もエヴァの世界観が再現されていると気づいている方は多いはず。でも、これはそれだけじゃないんです。
画像も自動で作画して投稿されていますが、暗めの色使いがなされているのはカラーバリアフリーを意識してのことだそう。石森さん自身が色覚異常があり自分が見やすいようにという事もありますが光に過敏な人や一般の人、色覚異常の人でも見間違う心配が少ない色を意識しているのだそう。
NERV災害のこれからは多言語使用も
来たる東京オリンピックでかつてない数の外国人が日本を訪れると予想されている中、石森さん達はNERVを英語や中国語でも同じように発信出来る仕組みに取り組んでいるそうです。
確かに、今でも多くの観光客が来日していますが”災害大国”の日本で何か起こった時の不安はとてつもなく、それが何が起きているか報道されている内容が分からない言語で飛び交う事の恐怖といったら想像を絶するでしょう。
「災害から大切な人を救いたい」という思いは今やNERVの内容からも一目瞭然の通り、日本にいる全ての人を対象にされています。「何か起きた時はTwitterを開いてNERVのツイートを見る」という人も少ないくない中、今回のアプリの配信はさらに気軽に使用、また使用者やその大切な人のいる場所を絞って設定出来る為パーソナルな安心材料となりますね!
「面白そう」から始まったNERVは今もこれからも多くの人を助けるでしょう。
アプリダウンロードはこちらから(公式ページ)